‐ヤンデレ達と私‐

「先生が思ってる程の人間なんかじゃないですよ‥きっと、その時は小さかったから」


「今の君はあの頃と変わらない‥そう思ってる」


「‥っ!」


冷たい缶を両手で握りながら、先生をちらりと見ると私は目を伏せる。


「君は‥覚えてないかもしれないけど、俺は覚えてる」


「でもあれは‥子供の戯れ事ですよ、先生」


「例えそうだとしても、俺は君の健気な姿に救われたんだ!あの時待っててくれると‥言ったから」


先生は私の肩を掴み、顔を近づけると少し怖い表情で口元だけにっこりと笑う。


私はビクリと肩を揺らすと、先生は握っている力を弱める。


「‥君は掛け替えのない、唯一無二の存在なんだ」


「先生、っ」


「またあの頃みたいにお兄さんって呼んでよ‥」


私は肩の痛みに顔を歪めながら、先生を見て口を開く。


「‥お兄さんっ」


「ふふ、可愛いね」


「‥‥っ」


先生‥‥いや、お兄さんの豹変ぶりは異常だ。


だっていつもはおどおどしてるのに、今は普通に‥いや寧ろ饒舌な位に話してる。


しかも、何か凄く色っぽいからは思わずドキドキしちゃう。


「二人だけの時はお兄さんって呼びます、それ以外は先生のままですからね?」


「‥うん、今はそれで良いよ」


先生はクスッと笑い私から離れると、さらりと髪を撫でた。



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