君のことを想いながら
「はい。そうです。」


僕はにっこりと作り笑顔をする。


「うわぁ。すごいんですね。はじめまして。
私、ユウって言います。アンスールの泉で生まれました。」


ユウは、かわいく振る舞う。


さっきとは大違いだ。


ユウがすごい。と言ったことが無性に気に障る。


たまたま僕がユルの泉で
生まれただけのことを―


「そう。僕はレイ。よろしくね。」


また、にっこりと作り笑顔。


「あ…こちらこそ。」


頬を赤く染めてユウは、また一緒に話をしていた奴らのところへ帰っていった。


「ちょ…私、絶対に気に入られたって!!
あの笑顔見た??」


「見た!俺も、行ってこよっかなあ~」


「絶対、行くべきだって!!次期、マオ様だよ??」


「ちょっと~、ずるいぃ~。抜け駆けじゃん~。」


僕は、席へとついた。


不愉快な内容を、これ以上聞きたくなかった。

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