君のことを想いながら
「サキちゃん。お願い。殺させて。レイがあなたを想っているのなら…。」


「…ぃゃっ…」


ヨクの手は、サキの首を再び締め付ける形になっていた


「ヨクさん!!いけません!!それだけは…!!」


俺は身体が動かない


「レイ!!レイは、誰を想っているんです!!」


トウヤにまたそう問われた


切羽詰まったこんな状況で俺の頭は焦りも手伝って結論を急いだ


ヨクは、サキの首に力を入れようとしていた


俺が想っているのは…。

俺が想っているのは…?

例え、それが罪であってもいい


二人でいることが交わることが許されなくてもいい


俺が想っているのは…。

俺は、二人のもとへ飛んだ


「くくくっ。」


その時、不気味な声が聞こえて空間が歪んだ


この歪んだ空間を俺は知っている


人間界に堕とされた時に…
< 152 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop