君のことを想いながら
「変な夢を見た…。」


人間だった頃の俺の名前、玲。

シズカ…ごめんな…。


俺、シズカの為に…って。


死神になったのに。


俺、今はサキを守りたいんだ。


わりぃ…。


俺は、黒い布を纏い町に出た。


人間を見渡す。


黒い霧に包まれた人間だらけだ。


その中の一人。


適当な一人に近づいた。


俺は珠を向ける。


黒い霧は一点に集まって穴に収まった。


「99…。あと…一つ…。」


あと…一つ。


まわりにはたくさんの《不幸》がある。


何の苦労せず、100番目が集まる。


だが、俺は集めなかった。


まだ…、しばらくは…、
サキのそばにいてやりてぇから。


あいつが、むこうに逝くまで、俺がサキを一人にはさせない。

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