舞風─君をさがして─
「お──いっ!!千鶴〜っ!!」
遠くから聞こえる声、
平助君の声だ。
「やっと見つけた……左之さんが呼んでたぜ」
忘れてた……
掃除終わったら、原田先生に職員室に来るように言われてたんだった──
まだ教室のゴミ捨ての途中だし……
「どうしよぅ」
「ゴミ捨ては俺が代わりにしといてやるから、お前は早く左之さんのとこ行った方がいい」
「ありがとう、平助君!!」
私は平助君にごみ箱を渡すと走り出した。