舞風─君をさがして─
理事長室──
「もう始まっちゃったかな」
私たち二人は理事長室の扉に耳をあてて中の様子を伺っていた。
話し声が聞こえる……
「平助君、今日何かあるの?」
「実はさ……」
ガチャ
突然、何の前ぶれもなく扉が開いた。
「お前ら何やってんだ?」
「は、一君!!」
「つ─か、平助、お前遅刻。……千鶴も居たのか」
「原田先生」
あれ?これって……
「今日は『新撰組』の緊急召集があったってわけ」
「緊急召集?」
私は平助君に聞いた。
「いや、詳しい理由までは俺も」
「早く中に入れ。これから本題に入るところだ」
斎藤にそう言われると、二人は顔を見合わせながら、理事長室に入って行った。