幼馴染みのお隣さん





啓がこっちに向かってくる。

「啓! ナイスシュート!!」

ピースをすると、優しく微笑む啓。


「お前声デカ過ぎ…」

「え゛?!! そんなに大きかった?!」

「あぁ。でもサンキュ」

あたしの頭をクシャっと撫で、部室の中に消えて行った。

……体温上昇中。
ヤバイ、かも。


あたしは火照った顔を手で覆った。




「おっそぉ~い!」

「うっせぇ。片付けがあんだよ」

「にしても! 遅すぎでしょ?!!」

「…うっせぇよ」

そういいながらも、実は早く啓と一緒に帰りたかったと言う…ね。

自分で考えながらも、自然と顔が緩む。


「…何ニヤけてんだよ、気持ちわりぃ」

「うっさい」

あたしに手を差し伸べてくれる。

その大きな手に、あたしの小さな手を重ねた。




< 38 / 39 >

この作品をシェア

pagetop