同棲彼氏
そんなあたしの好きな人は、同じユリ組の守下 蒼(カミシモ アオ)くん。



カッコよくて、優しいの!



だけど、この事はママにしか言わない。



パパに言ったら蒼くん、殴られそう。



ダメダメ!



今日も、蒼くんの事を考えながら、帰りの通学バスに乗った。



「ただいま!」

「雅美、お帰り~」



あたしはママの元に駆け寄った。



「パパは?」

「パパ、今日テレビだって」

「よかった!ねぇ、蒼くんのお話し、していい?」



ママは、あたしの恋バナをちゃんと聞いてくれる。



「今日ね、あたしが転んで血を出しちゃったら、蒼くんが走って駆け寄ってきてくれて、ハンカチで拭いてくれたんだよ~」

「そうなの!蒼くん、優しいね」

「うん、優しいの!でねでね、そうしたら、蒼くんファンの女の子に睨まれたから、蒼くんがあたしを庇ってくれたんだよ!」



ママは、自分の事のように嬉しがる。



「雅美、パパみたいな人と付き合うのよ」



って、ママはいつも言う。



「ねぇ、蒼くん、パパみたい?」

「うん、パパみたい!もし付き合うなら、蒼くんがいいね」



ふふふっ。



ママに蒼くんを褒められると嬉しいな。


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