汚レ唄
ごめんなさい。
ごめんなさい、先輩。
どんなに卑怯な手を使っても麻緋を渡したくないんです。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
先輩は、麻緋のことを想って離れることを決めた。
なのに、俺は……
麻緋にとって俺は邪魔だってわかってるのに、離れることができない。
「情けな……」
ちっぽけな男だと自分でもわかってる。
女々しいってことだって。
卑怯だって事も充分わかってる。
わかってるのに……どうして離れることができないんだろう。