汚レ唄
そっか。
拓斗くんにしてみるとずっと静さんを誘ってたんだ。
ずっと静さんとバンド組みたかったんだもんな。
これで静さんが気に入らないって言えば、きっと、私を外してまた違うメンバーで静さんを説得するのかもしれないし。
もしかすると私にとっても大事なポイントなんだ。
拓斗くんは提げてるギターを下ろして中身を取り出した。
今日はエレキギターだ。
「今日は、エレキギターなんだ?」
「おう。学校じゃエレキばっかだな。駅前で弾く時はアコギだけど」
「へぇ~。エレキギターって私、初めてだなぁ」
「え?」
「いつもアコースティックギターで弾き語りしてるし、この前の拓斗くんのギター聴いたときもアコースティックギターだったけど、エレキギターで合わせるのは初めてなんだよねぇ」
そう言うといきなり肩を抱かれ、力一杯前後にゆすられた。
「マジか!」
「……う、ん」
「マジかぁ~……」
パッと手を離し、今度は自分の頭をガシガシとかき始めた。
「そうかぁ。マジかぁ~」