ヒミツの恋の方程式
美術の教科書に載っている、ムンクの叫びのポーズそっくりに耳を塞ぐ。


そんなあたしを可笑しそうに見下ろし、ガラリと開けたドアにもたれ、聡はあめを口に放りこみながら、あたしに手招きをする。


「ほーら、雫。
早く入って」


うわっ。
何!?


悪魔の誘惑!?


いや、違う、な。


聡は超がつく美形だし、華奢で爽やかなイメージを拭えないから――…


神々しい天使の囁き?

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