ヒミツの恋の方程式
「これが一番、本当の、本当」


聡は床にへたりこむあたしに手をのばし、


「これが聞きたかったんだろ」


生意気な、俺サマ発言とでもいうべき上から目線で


「よかったな、安心できて」


床にへたりこんだままのあたしを抱き起こそうとして――…


「あ。
まだよくねぇ。
つーか、全然言いたりねぇし」


聡は掴んでいたあたしの手をあっさりと離し、さっきと同じようにマイクを握った。

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