ヒミツの恋の方程式
「バーカ。
だから、敦に騙されんなって言っただろ?
雫、おまえ。
オレの忠告、まるっきり聞いてねぇな?」


聡はあたしの耳をくいっと引っ張った。


「雫が望むなら、オレ、かまわねぇよ?」


「…?」


「将来、結婚したいんだろ?
このオレと」


「…っ!?」


「雫、そんなにオレのこと好きだったんだ?」


笑いを堪えているような苦しそうな顔で、聡はあたしの頬を引っ張った。

< 187 / 209 >

この作品をシェア

pagetop