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NASA(アメリカ航空宇宙局)の管制室は固唾を呑んで見守っていた。

「こちら管制室、地質調査チーム聞こえるか?」

管制オペレーターのジム・スティルマンがヘッドセット越しに問いかける。

『感度良好だ。こちらの映像も確認できるか?』

「ああ、かなり不鮮明ではあるが、なんとかな」

我が目で確認しておきながら、いまだ信じられない思いでジムは返答を返した。

管制室のメインモニター。

そこに映る月面基地外、月面地表の映像。

確認はしづらい。

だが確かに動くものが見て取れた。

人間ではない。

宇宙服を身につけていないし、何より形状が人間とは似ても似つかない。

人間よりも若干大柄に見えたし、長い尻尾が確認できる。

頭部は楕円形で縦に長く、ヒョロヒョロとした胴に枝のような手足。

全身真っ白の生命体だった。

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