君に永遠の初恋を。

俺は泥棒。

今日のターゲットは、一ノ瀬のマンションの隣りにある一軒家。

ずっと片思いしていた一ノ瀬結愛の家に入ったのはつい昨日のこと。

ただの一目惚れだけれど、本当に好きなわけ。

あの無気力さが泥棒として常に警戒している俺にとっては最高の癒しだ。

帰りに顔も見れたし、今日の俺は絶好調!

あっさり盗み、家に帰ろうとして、思い出した。

…親が売りやがったことを。

代々泥棒の家計だけど、最近セキュリティーが厳しくなって、親は…俺を置いて夜逃げした。

今までは友達んとこ泊まってたけど、アテも尽きた。

帰る場所ねーじゃんかよ…

[うち、来れば]

あの無気力な声が頭の中で響いた。

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