スキャンダルなアイツ-プレイボーイに気に入られたのは毒舌地味子-
・歪む関係、不明な感情
――「じゃあまた明日ね」
「う、うん……」
駅の改札を通り、
私と紗依、美奈と茜にそれぞれ別れる。
昼休みの最後の最後で茜に
伊東くんと一緒に居るところを見られてしまってから、
なんだか4人での帰り道は空気が重かった。
茜に何か聞かれることを予想してたけど、
その話題も出なくて、
誤解なのかわからないけど、
変な疑いをもたれたままのような気がしてもやもやする。
「……ねぇ香乃子、何かあった?」
ぼぅっと階段を降りる私に
隣を歩く紗依は心配そうな顔を向けた。
どうにかこの胸やけみたいな感情を吐き出したくて、
自分だけじゃ頭がこんがらがるばかりで、
話を聞いてもらいたくて提案する。
「この後、少し時間ある?」
「うん、平気だよ!
隣駅で降りてお茶でもしようか」