ズルい-蓮井side-
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「待ってなよ。それがいー女でしょ?」


山都と呼ばれた優しい瞳を持つ残酷な人はそう言ってあたしの腕を掴む。



待つ?


待てる訳、ない。



あんな司さん、初めて見た。



あたしを一度も見ようとしない司さん。故意に、じゃなくて、ただ純粋にスーツ姿のその女の人だけを見ていた。



嫌、嫌。



あたしは、二人を走って追い掛ける。




目の前の光景に、もう動揺なんてしない。



今までの痛みと比べたら、些細な事の筈。


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