モノクローム
そんなことを思うのは毎回だ。
数学の公式や古典の文法なんかはすぐに覚えられたのに。
今出ていった男の顔も、はっきりとは覚えてない。色々な男の顔とカブるのだ。
付けっぱなしになっていたテレビのチャンネルを適当に変えて、ソファーから降りた。
朝御飯も済ませて、携帯を開く。さっきメールの来ていた男。
その男の番号に電話を掛ける。
「今日、私空いてるけど」
毎日それの繰り返しだった。
遊んで大学に行って、遊んで。
未来なんてどうでもよかったし、真面目に私が働いている姿なんて想像できなかった。
きっと大学を卒業しても、ろくな仕事にも就かなくて毎日遊びほうけて、そうしてるうちに死んでいくのだ。きっと私は。
「――うん、じゃあ待ってるから」
パタンと携帯を閉じて外を見る。
眩しいくらいに晴れていて、思わず目を細める。
昔、誰かから言われたことがある。
自分でもわかっているけど、私に太陽は似合わないらしい。

