溺愛ダーリン&愛しのハニー
 俺の心は揺れていた。

 生後間もない俺を捨てた母。


 許せることではなかった。


 でも…日本と国交のないグーテンベルグ公国。


 后妃である母が俺に会えるのはこれが最初で最後かもしれない。



 「……まだ…考えている…」


 「明日の朝までにキメて下さい…向こうにも段取りがありますから」


 「わかっている…少し一人にしてくれ…濠」



 「わかりました…珪さま」



 濠は一礼して部屋を出て行った。
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