愛詩-アイウタ-

再会

─キーンコーンカーンコーン…


 帰りの鐘が鳴る。その音を聞いて光璃はとび起きた。



 セミロングの茶髪が揺れる。生まれつき色素が薄く、髪が茶色だった。


 中学の時は部活がつらかった。今思えばよく続けられたなぁ。そんなことを思ったり何かして。


 【佐波光璃】と緑で縁取ってある名札に書いてある。入学式のあと外すつもりだったが、4月24日の今もつけている。


「今何時!??」


「光璃、また寝てたの~??もう4時30分過ぎたよっ」


 光璃の質問に美夜は答える。


「だって~ひぃ、どこでも寝れるから!」


「いやいや、自慢にならないって」


「ひぃの特技なんだけどな~」


「そりゃぁ、見ればわかる」


「でしょ!?」


「いつも寝てるしね~♪」


「それは言わない約束っ」


 光璃があわてて言ったところで、ふたつの影がやってくる。

 その影を数瞬見つめて、光璃は抱きついた。


「ゆみ~ちか~美夜がね~」


「あぁ、なんとな~くわかったよ…」


 またか、といった感じでゆみは答えるが、それに反して声は穏やかで。


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