何度でも君を・・・
☆気持ち

恐怖




キーンコーンカーンコーン…




今日最後のチャイムが鳴り、クラスの人達は一斉に教室から出て行く。




あたしはさっさと帰る準備をし、藤井くんと話をしている雄輔のもとへ向かった。



「雄輔~…今日、一緒に帰ろ??」




最近は、雄輔と一緒に帰ってなかった。



あたしは雄輔が怖くて、零ちゃんや瑠璃ちゃんと帰ってたから…。




「…いいよ」



雄輔はあたしの言葉にビックリしていたようだ。



そういえば、いつも雄輔から帰ろうとか誘ってきたからあたしから誘ったことはほとんどないんだっけ…?



あたしはOKがもらえたことに安心しつつも、隣の藤井くんをチラッとみた。





藤井くんは気付いたみたいで、口パクで“がんばれ”って言ってくれた。




あたしは雄輔に見えないようにその言葉に笑いかけた。



やっぱり藤井くんは優しいなぁ…。




あたしも口パクで、“ありがとう”と言った。



藤井くんは少し笑った。




あたしたちがそんなやり取りをしている間に、雄輔は帰る準備ができたみたいだ。




「舞、行こ」


「あッうん。」




そして教室に藤井くんを残してあたしと雄輔は教室を出た。




―――…あたしはこのやり取りを、雄輔に見られていたなんて…知るはずもなかった。






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