【BL】だいすきな青へ-Lost Memorys-
>>November「家族」と「日常」



20XX年11月1日


今年の春からリニューアルした食堂。


メニューいっぱい増えて、冬だから肉まんとか焼き芋とかしてる。

肉まんなんて種類豊富で凄い。

チョコまんはまじ美味い。

最近、部活帰り毎日食堂寄ってるし(笑)

今日は食堂の場所が分かんなくなった。

万里弥に腕掴まれてどこ行くんだよって。

言われて、あれどこ行くんだっけ?ってなって焦った。

「あっちに先輩らしき人見かけたけど、違うかったわー。」

一瞬フリーズしたけど、適当に嘘ついたら信じてくれたみたいで、腕を離してくれた。


でも、またやっちゃった。

「万里弥、見てみて!チョコまんだって(笑)これ食べてみよっかな。」

「は?最近、琉生そればっか食ってんじゃん。」

落ち着いて考えたら思い出せるんだけど、ぱっと口から出ちゃった。

「……………あ、間違えた。俺が言ってんのピザまんだわ(笑)」

苦しい言い訳www

しかも、変に間空いたし。

めっちゃ怪訝そうな顔してた。

気づいてないよな。

万里弥は堪鋭いけど、いくら何でも毎日合ってる友人が記憶障害だなんて思わないだろ。

万里弥やかんなに病気の事知らない。

知ってるのは家族だけ。

親父には面倒くさいって言われた。

万里弥たちはそんな事言わないって分かってるけど、話すつもりは無い。

いつかはバレちゃうんだろうけどさ。

今はこの日常を壊したくない。


まだ青痣残ってるけど眼帯外してる。

バスケするのに邪魔だし。

「ぶつけたけど恥ずかしかったから、めばちこって事にしてた(笑)」

俺、怪我多いし、気ィつけろよ(笑)くらいでみんな普通に信じてくれた。

かんなに至ってはめちゃくちゃ心配してくれた。

「なんで目なんてぶつけたの!?」

「もうちょっと気をつけてよ!」

「琉生は本当に怪我多いよねっ」

こんだけ心配されたら、病気の事なんか言えそうにねぇわ。





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