俺だけのサンタガール




そして、葉瑠は俺の気持ちを知ってか知らずか、彼氏をとっかえひっかえしていた。



「お前、あんま人の気持ちもてあそぶなよ?」




何度言っても、葉瑠は、簡単に流す。



俺は、葉瑠の横顔を見て、ため息をついた。




「雪ってさ。」



「あ?」



「雪って、なんか切ないよね。


たくさんの量が降らないと、つもらない。

たくさん降らないと、気づいてさえもらえない。


ふわふわ不安定で、触れた瞬間溶ける。

誰にも知られないまま」



言葉の途中で顔をあげれば、葉瑠は切なそうに窓の外を見つめていた。



「…んなことねーよ。


誰にも知られずに、消えていくことなんてねえ。



誰か、必ず見てくれてるよ。

大丈夫だ。

雪が降った、生きていた証は、必ず誰か覚えていてくれるから。」











.
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop