俺だけのサンタガール
そして、葉瑠は俺の気持ちを知ってか知らずか、彼氏をとっかえひっかえしていた。
「お前、あんま人の気持ちもてあそぶなよ?」
何度言っても、葉瑠は、簡単に流す。
俺は、葉瑠の横顔を見て、ため息をついた。
「雪ってさ。」
「あ?」
「雪って、なんか切ないよね。
たくさんの量が降らないと、つもらない。
たくさん降らないと、気づいてさえもらえない。
ふわふわ不安定で、触れた瞬間溶ける。
誰にも知られないまま」
言葉の途中で顔をあげれば、葉瑠は切なそうに窓の外を見つめていた。
「…んなことねーよ。
誰にも知られずに、消えていくことなんてねえ。
誰か、必ず見てくれてるよ。
大丈夫だ。
雪が降った、生きていた証は、必ず誰か覚えていてくれるから。」
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