○○を想うと～special Fan book～

･高宮伊織の場合

「母さん。」


「なに？」


「明日、カノジョが家に遊びに来るからチーズケーキ焼いてよ。」




ある日突然
愛息子・仁の口から飛び出したこんな言葉。




派手な顔立ちのクセに
変に真面目で穏やかな、仁


桐谷慎と全く同じ顔のクセに
性格は真逆の仁



モデルなんて目立つバイトをしてるくせに、浮いたウワサが１つもなくて親としては少し心配してたけど……。




突然こんな風に不意打ちでカノジョの存在を明らかにされると、それはそれで結構ショックだよ。




ズーーーンと沈む気持ちを隠しながら


「了解！
じゃあ腕によりをかけて最高のチーズケーキを焼いてあげるわ！」


空元気でそう答えると


「よかった。
母さんのチーズケーキは絶品だから、きっとカノジョも喜ぶと思うよ。」


ダイニングでコーヒーを口に運びながら、満足そうに仁は微笑む。