これは恋ではない
段取りをつけてひとしきり。
「ひなた」さんという、人なつっこいという解説の美しい、二十歳の女性をオーダーする。
僅かながらも、俺でさえ、女性と共に生きることもあったが、義務と責任、あとは価値観の押しつけ合いしかなかった現実に、
嘘でも演技でも疑似恋愛出来るなんて、素晴らしい世の中だ!有り難い話しじゃないか!
失礼があっても良くないだろうと、部屋と風呂とトイレの掃除をして不安な時間を飛ばす…
「ピン…ポーン」
少し間の抜けたインターフォンが部屋に響いた…
「こんばんわ」
端正な顔立ちに人なつっこい雰囲気。
育ちの良さそうな丁寧な物腰に爽やかな会話。
俺の生きる世界にはこんな輝きはなかった!
身の上話をしてみても、不況が無ければこの世界に足を踏み入れるタイプには見えない…
目が合うと無意識に笑うその瞳は自分が感じた事のない部分にそっと触れた…
酩酊し、手はふるえるが悟らないように部屋へと通し、ドリンクを出して世間話。