Bitter Sweet Kiss
一通りの話を聞き終えて。できるだけやんわりと言ってみる。


「悪いけど。オレさ、これからデートなんだ」

「カイちゃん…」


ちょっとだけキョウコちゃんの目が揺らいだ気もしたけど。これ以上ここにいたら、押し殺してた感情が溢れてきそうだから。


だから

「二人が決めたというのならオレが言うことはなんにもないよ。祝福もする。おめでとう」

目を細め口角を上げ、意識的にそんな顔を作って、そして席を立った。


デートの約束なんて特にない。

だけど電話をしたならオレに会いにくる女なんて余るほどいる。

ベッドで彼氏と愛し合ってる最中だとしても、さっさと切り上げて飛んでくる女だって……。
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