Bitter Sweet Kiss
ゼーゼーと気道が騒ぎ、鼓動もテンポを増していく。

久しぶりだよ、こんなの。
ちょっとウケんだけど。

だけど笑おうとしたら余計に苦しくて。両足をすべらせ、そのままその場へ腰をおろした。


「カイ君?」


いつもは鈴の音のように頼りないくせに。急に毅然とした声でオレの名を呼ぶ。

だからさ、耳にしか届いてこないその存在に問いかけてみたんだ。


「ミト、助けてよ」




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