Bitter Sweet Kiss

告げられた場所へ向かうためバス停へ急ぐ。


でも途中で携帯がまた鳴って、慌てて出たわたしに彼は言った。


「ごめん。やっぱ場所変更」

「え?」

「ストロベリーロードに来て」

「ストロベリーロード?」


訊き返したのにそこで回線は途絶えた。

ストロベリー……?

頭の中でその単語を繰り返してみる。

……思いだしたのは、あの夜の雨と彼の笑った顔。

そしてわたしは、くるりと向きを変えまた走りだしたの。


< 233 / 351 >

この作品をシェア

pagetop