Bitter Sweet Kiss
[side Mito]




「あ゙ー! オトコが欲しいーっ!!!」


どこまでも続く青空に、ユウちゃんの雄叫びが抜けていった。

昼休みの屋上。

お弁当を食べ終えたわたし達3人は、いつものようにここで、まったりとした時間を過ごしている。


「ユウコ、せめて『カレシがほしい』って言って。知らない人が聞いたら別の意味に聞こえるわよ」


クスッと笑いながら言ったのはサユミちゃん。
花柄の化粧ポーチからコンパクトを取りだして、メイクを直してる。

その手先が器用に動く様を眺めながら、さっきサユミちゃんが言った“別の意味”って? とわたしは考えていた。
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