峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
峰岸に一瞬でも近付けた気分に、ただ心がはしゃいで。


あたしはまだまだ子供で……峰岸の隣に居る、それだけで幸せになれるくらい脳天気だったんだ。




その日、午後の授業をサボって見た峰岸との空を、あたしは一生忘れられないだろうって…思った。







それから8ヶ月後。

関東の高校に合格した峰岸は、都内にあると言う親戚の家へと一人で出発して行った。


あたしは地元の高校に合格。


最初から決まっていたかの様に、離れ離れになった峰岸とあたし。


キスの理由も知らないまま、友達として見送った。



そして、あたしは決めた。

高校を卒業したら、峰岸の居る関東に住もう。



峰岸を追い掛けて行こう。




そう、決めた。





その頃のあたしはまだ、大人になるにはたくさんの時間がかかる事も、苦しさを乗り越えて、痛みも感じなきゃいけない事なんて……考えてもいなかったんだ。
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