峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
あたしは、自分が掴んだ花びらを峰岸にあげたんだ。



「どうか峰岸くんが宇宙に行けます様にって言って、永山は花びらをくれたんだよな」

「うん」


峰岸…。

峰岸も、覚えてたんだね。


あたしと初めて会った日の事、覚えていてくれたんだね。


峰岸!峰岸!


「俺、すごい嬉しかったんだ。永山が花びらくれた事も、願いを込めてくれた事も、俺の夢を笑わないで、逆にすごいって言ってくれた事……今でも嬉しいんだ」



峰岸!


あたしもだよ、峰岸。


出会えた事が…嬉しい。

峰岸と出会えて、嬉しいんだよ。



あたしは無意識に、ポケットの中にある手紙を握りしめてた。


言うなら、伝えるなら……今。


空を見上げ、大地に戻って来る水滴の結晶を見つめてる峰岸。


峰岸、言わなきゃ。
伝えなきゃ……。

今、伝えなきゃ!


「なぁ、永山」


空を見上げていた峰岸の視線が、あたしへと向いた。

「俺さ……」


何かを伝え様とする峰岸。

「どうしたの?」
「俺さ…春になったらさ…」


白い息、動く峰岸の唇。

上昇する、あたしの心拍数。


峰岸?
どうしたの?


表情が、変だよ?
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