峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
また考えてしまう自分が情けなかった。



二年過ぎて、あたしはそのまま東京で就職が決定した。


服を作る仕事じゃなくて、服の販売員だけど、就職できただけでいいかな、なんて。


田村くんとはその頃、お互い忙しくなってきて自然に別れた。



でもなぜか、悲しくは無かった。


田村くんがいないと、あたしの中の峰岸をセーブしてくれる人がいなくなる…そんな風にしか考えられない自分は……嫌な女だ。



成人式は、地元に帰省した。


久しぶりに会う美幸や友達とはしゃいで、写真を撮りまくって…。


そして、式の出席者の人混みの中、峰岸を探している自分がいた。


アメリカだもん…来る訳ないじゃん……。


馬鹿みたいな自分を責めた。


そして…まだ峰岸への気持ちが残っている事が、情けなかった。



もっと、強くならなきゃ。

強くなって、一人でも生きていけるんだって…自信を持たなきゃ。


大人にならなきゃ。


峰岸を見ても、何とも思わなくなるくらいに。





あたしは、仕事を頑張った。

ただ、頑張った。

頑張って、その結果がついてくると、仕事って楽しいなって感じた。
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