峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
一つは、峰岸だった。

制服を着て、防着袋を肩に担いだ峰岸。



もう一つは、女子生徒だ。


あの子、知ってる。

バスケ部の2年生。

結構かわいいって騒がれてる子だ。



うつむきながら峰岸と話す女子……。

うなづきながら聞いている峰岸……。




何だろう…。


何だろう、この雰囲気。


あたしが想像するに、この光景は………。





やがて、峰岸に頭を下げた女子は、体育館へと走って行った。


思わず、それを目で追う。


もしかして、コレッて…。



「永山〜!」



呼ばれて視線を戻すと、駆け寄って来る峰岸が見えた。




「部活終わったんだ?」

「うん、峰岸も?」

「さっき終わった。一緒に帰ろっか」



笑う峰岸。




自転車を取って戻って来た峰岸と、あたしは帰宅する。


自転車を押しながら、並んで歩く。




「永山、入賞できそう?いつも頑張ってるじゃん」

「できれば入賞したいけどね。峰岸はどう?」

「俺?まぁまぁかな。いけそうな気がする」



峰岸は、いつも自信に満ちてる。
あたしは、峰岸から無理って言葉を聞いた事はない。
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