峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
いよいよ宇宙だよ?

峰岸の夢が叶うんだよ?


ずっと見上げていた空の向こうを見れるんだね。



峰岸なら、きっと見れるよ。

どこまでも見えるよ。




すごいね、峰岸。

ホントに夢を叶えるんだ。


高く高く飛んで、大気を抜けて…大きな夢を叶えるんだね。



テレビに映る峰岸の姿。


見てるあたしの方が、夢みたいな感覚。



涙が…出る。


感動と嬉しさ…。


長かったね、峰岸。

頑張ったよね。

いっぱいいっぱい、頑張ったよね。



…峰岸。


おめでとう。


宇宙飛行士になるって、それだけであたしにとっては雲を掴む様な感覚なのに、峰岸は今、宇宙飛行士になって宇宙へ行くんだ。



屋上で一緒に空を見ていた峰岸は、屋上よりもはるかに高く昇るんだ。




でも、今の峰岸ならきっと、空を見つめている瞳を、あたしにも向けてくれるよね?



あたしは、そんな峰岸を、待ってる。


峰岸の声を、待ってる。


峰岸が、空から手を差し延べてくれるのを待ってる。


その時、あたしと峰岸は近付く。
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