峰岸の恋する宇宙-そら-(短編)
峰岸は、あたしの気持ちに気付いてた。


ずっと気付いてた。


それを知った時、全て報われた気持ちになったのをはっきりと覚えてる。



だからあたし、ここまで立ち直れたんだ。



あたしは、空を見上げた。

抜ける様な青と、綿飴みたいに白くて大きな雲。


夏空だね。

峰岸と屋上で見た、空に似てる。



ねぇ、峰岸。


あたしと峰岸が1番近付けたのは、結局あの屋上でのキスの瞬間だけだったね?

でもね、あたしは悔やんでないよ。



峰岸と会えて、幸せだった。



よく考えたら、転校したあたしと峰岸の出会いからが、奇跡だったんじゃないかな?



それとも、必然だったのかな?


だってあたしは、峰岸からたくさんの心を貰った。


峰岸の存在が、あたしの心を育んでくれたんだよ?



嬉しい、楽しい、安らぎ、ドキドキ。

愛しさ、切なさ、胸の痛み。


悲しくて苦しくて、どうしようもない時もあったけど、全て峰岸があたしにくれた心、感情なんだよ?




ありがとう、峰岸。



ありがとう、ありがとう。

何度言っても足りないよ。
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