【連載中】遊び人対策本部。
【CASE-01】まさかの隊長就任劇  ★執筆中

【CASE-01】まさかの部長就任劇









春―それは出会いと別れの季節。

世間一般でいう入学・卒業シーズン。
人びとは別れを惜しみ、また新たな出会いに心躍らせている。


そして…
たった今この場所でも新たな出会いが生まれようとしている。


「ねえ、今時間ある?ちょっとこの近くのカフェで話さない?」


「え~…私待ち合わせが」

………ちょっと異なったタイプの出会いだが。


夕方の街灯に照らされて会話する男女が二人。
男はいかにも軽そうなナンパ男である。


「いいじゃん!何だったらその子も呼んでさ」

「え~っ」







その時、豪快なマフラー音が街に轟いた。


「来ないと思ったら…やっぱり絡まれてんの?」

凛として透き通った声。
ライトに照らされて黒く輝くバイクに跨がった人物が一人。


その人物が顔を覆ったフルフェイスのヘルメットを取った瞬間、ナンパ男は息を飲んだ。


焦げ茶色のロングヘアに整った目鼻立ち。
女性の放つ強烈なオーラにナンパ男は圧倒されていた。



「凛…!」

「佳代子に頼まれたよ。真奈美もバイトで遅れるから、帰るついでに迎えにいってって」

「ごめん!道に迷っちゃってさあ」

「真奈美この街何年住んでるのさ…。ま、アタシも今から佳代子ん家行くからいいんだけどさ」

「カッコいい!凛さま流石!」

「さ、メットつけて。…………あ、ってことで、残念。ナンパ男くん」



彼女は後部座席に女を乗せると、アクセルを回し、颯爽とその場から去っていった。

残されたのは唖然とするナンパ男であった。





















「ぐああああああああ痛たたたたたたた!!!!!!」


「いやあああああああああああ怖いいいいいいいいい」


桜も舞い散る、そんな情緒あふれる街並みの中
なんだか場違いな叫び声をあげながら坂をバイクで下る女子は私たちぐらいしかいないだろう。



「真由美…!!!!内臓掴んでる…って、ば! ぐえええ」

「凛がスピード出すからでしょおおおお!!!」

「50キロぐらいしか出てないって!ホント私内臓イカれるからいい加減はなせ!」



凛、と呼ばれた女ライダー。

黒いライダースジャケットにフルフェイスのヘルメット、そして、黒く輝くバイク。

彼女こそ、この物語の主人公・美並凛(みなみ りん)。















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