Sweet Sweet Christmas
この日はそのまま家に帰った。
そして次の日、俺は学校が終わった後、急いであの店まで行った。
あの商品を押さえに。
もちろん金なんかないけど。


「あのっ…すみません…。」

「あっれー晴輝?なんでウチの店にいんの?」

「しゅ…愁!?お前こそなんで…。」

「あ、ここ、ねーちゃんの店だからさ。
クリスマス前の期間は俺、バイトとして雇われてんだよねー人手不足だから。
で、どーかした?つか何しに来たん?」

「あー…あのさーディスプレイの商品なんだけど…。」

「ああ、あれがどーした?」

「あれ、1個作っておいてほしいんだ。
でも金はまだ無理。でも一組押さえておけないか?」

「なーるほど…。」


にやにやとなんだか気持ち悪い笑みを浮かべている愁。


「なんだよ…その顔。」

「梨亜さんへのプレゼントってわけか?
まぁ押さえておくことは出来るけど…。
でも高校生で受験生の俺らには4万5000円なんて大金、用意できるはずもねぇけど、どーすんの?」

「バイトする。」

「バイトぉ!?お前、受験すんだろ?」

「するけど…別に学力的には問題ない。」

「うっわー…
でも、今の時期にバイトなんて学校が許さねぇって。」

「担任なら許す。」

「丸やんなら…んー…かもしんね。」

「つーわけで頼んだ。」

「あ、おい!!待てよ晴輝!!
って…無駄か。
晴輝、梨亜さんのことになると全然周り見えなくなるし。」

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