Sweet Sweet Christmas
「綺麗…だね…。」


外のイルミネーションを見て理沙子が発する言葉と言えばたったこれだけ。


「さっきからそれしか言ってないけど?」

「なっ…聞いてたの?」

「聞こえてたよ。」

「ただのひとりごとなんだから気にしないで。っていうか聞かないで。」

「無理。理沙子の声は無意識に全部キャッチするもん。俺の耳。」

「もー…ああ言えばこう言う…。」

「そんなに…綺麗?」

「綺麗だよ!!あたし…こんなの初めて見たもん。」

「え?」

「…こんなに綺麗なものって…世の中にあるんだね。
すごく…世界がキラキラして見える…。それが…すごく不思議。」



真顔でそんなことを言う理沙子に何も言えなくなってしまう。
去年のクリスマス…君は…。



「え…?」

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