Sweet Sweet Christmas
理沙子を抱き上げた。
ツリーのてっぺんに手が届くように。


「なっ…ちょ…聡っ…!!
降りても手、届くよっ…。」

「こうした方が綺麗に飾れるだろ?
いいから上に乗っけろって。」

「…。」

顔を真っ赤にして照れながらも、理沙子はゆっくりとツリーの一番上に星を乗せた。
それを確認して、俺はそっと理沙子を下ろす。


「持ち上げてくれなくたって…大丈夫だったのに。」

「ああいう風に持ち上げてみたかったんだよ。
にしても…理沙子、軽すぎる。
あのまま振り回せそうだったし。」

「振り回すって…あたし、子どもじゃないよ?」

「子どもみたいに無邪気な顔してたよ。
まるで天使みたいに…な。」



抱き上げた時、そう見えたんだ。
羽が生えているような軽さと、そして子どもっぽい表情。
その後ろにはキラキラと輝くクリスマスツリー。

君がまるで…天使のように。

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