完璧男子
「蓮様。 これくらいでよろしいですか?」

「あぁ」


 塚本さんはにこっと笑顔を振りまいて机に3万円を置いた。


「こんなに!?」


 木野さんは驚いて座りこんだ。


「え? 多いかな?」

 
 私と蓮がよく行くお店はこのくらいでちょうど2人分くらいだから…。


「マジで? 多い? ま、いいや。俺の奢りな」

「ありがとー」




 お父さんやお母さんがはたらいて稼いでくれたお金だし大事に使ってくれればいいか。





 2人が抜けた後、合コンを再開したみんなはこんな話題で盛り上がった。



「なぁ。優枝ちゃんってすっげぇ金持ちじゃね?」

「あー、それ思った。truthの服だったし…3万平気でおいてくし…なんか燕尾服きた人いるし…」


「ありゃ、そうとう金持ちだけど笠間なんて財閥ねぇよな?」

「…あの男のほうは?」

「北見蓮君だよ」

「笠間と北見ねぇ…」

「笠見財閥ってなかった?」



「「「「「「あぁぁぁ―――――」」」」」」



「えっ? あの? あれ?」

「えぇぇ…嘘だろ? 金持ちどころじゃねぇよ…大金もちだ」




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