完璧男子
「ねぇ? 何してんの?」

 上の方から聞こえた声。


 そこには誰もいない…代わりにどんどん近付いてくる足音。


 ―――カツっ カツっ…


「あ…」

「うわっ…北見 蓮…!!」

「俺のこと知ってんの?…なら話は早い。 優枝から離れて」

「は…はいっ!!」


 余裕の笑みを浮かべてた男の人は真っ青になって走って行った。



 蓮……。


「また泣いてんのかよ。 泣き虫優枝ちゃん♪」

「だってっ……」

「怖かった?」

「そっ…それもあるけど……お昼ご飯~!!」

「そっちかよ」



 あきれ顔の蓮。


 私変なこと言った?


 どうでもいいけど…まだ購買にパン残ってるかな!?


「残ってねぇと思うけど?」

「へっ!?」

 

 聞こえてたの!?



「それより、これ…いる?」

「わっ、私のお弁当っ!!」


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