答えを導く少女
伊藤君はしばらく黙ってから、話した。




「俺は後者を求める」


「どうして」


「仕事を一度で終わらせるためだ」


「本気なの」




私は伊藤君に決意を聞いた。


それはもっとも単純で、だけども過酷な道だった。


人々に仮想世界と現実世界のどちらで生きたいのかを決めさせる。


現実世界での生活の保証もない。




「ああ、本気だ。この仕事が俺達『C』最後の仕事にする」


「最後の仕事…」


「ナナミ、これから俺達はどうすればいい」




私は伊藤君に提案をした。


まずは『W』総長であるアカネに相談。


その後、アカネのお父さんにお願いして世界にこの情報を流出する。


流出後、人々に選択を与える。


仮想世界に残るか、それとも現実世界へ向かうか。


選択結果から仮想世界の人々へ一度に送る。


その後、現実世界との接触を遮断する。







伊藤君は私の提案を何の反論もせずにメモした。


話し終わると伊藤君は椅子から立ち上がった。


鞄を持ち、伊藤君は礼をして部屋を出た。


伊藤君が立ち去った後、私はしばらく考えた。


私はどちらの世界を選ぶべきかを…
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