答えを導く少女
ミコト君の腕が止まった。










あと数センチの所で心臓にメスが入っていただろう。












周囲の人達は私の方を見た。














ミコト君は私を見ていた。










私がミコト君の目を見ると殺意の視線を感じた。








こんなはずではなかった…










こんな結果になるはずがなかった…











私は入口付近へ歩いた。














一般人は道を作った。私はその道を歩いた。


















私はミコト君の近くまで寄った。








「ミコト君…」











私はミコト君が持っているメスを持つ手を握った。













「止めて…ミコト君は…ミコト君は…」








「…生きてた」











ミコト君は手からメスを離した。











「僕は…僕は…」











私はミコト君を抱いた。













「大丈夫。才能が目覚めても…
ミコト君はミコト君だよ」












「…ナナミ」











ミコト君の能力値は子供の頃に会ったときと同じ感覚になっていた。













不思議な気分だった。










あの時と同じ時間を過ごしているようで…
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