悪い女
言われるままに、あたしはドアの鍵を下ろす。
ガチャリっていう金属音が耳にこびりついた様に響いた。
先生はあたしの一部始終を黙って眺めている。
まるで全身に緊張が走ってあたしは、これから何がどう向かうのか分からないまま、ただ心臓だけを高鳴らせた。
一歩、一歩、先生に近づくその距離の分、
あたしは先生から目が離せなくて、
無造作な髪型も、細くてその癖見透かされそうな位真っ黒な瞳も、
やっぱり恐ろしい位、タイプ。