いちごキャンディー
お気に入りのCDをかけてベッドに寝そべる。

俺の部屋に遊びに来た空澄は、いつも洋楽ばかりをかける俺に“たまには邦楽かけてよ”と言ってたっけ

…買ったのにな、空澄が好きなアイドルのCD。


『…遊びにこねぇからまだ一回も聴けてねぇし。買うの恥ずかしかったのに。』


空澄が何故だか置いてった、くまのぬいぐるみ

空澄が気に入ってた大きめなクッション

空澄が好きだと言ってた俺の部屋…


いつも綺麗にしてたって、お前がこなきゃ意味がないよ…



―ガチャ


「何だ?泣いてんのか(笑)」


俺が仰向けでベッドに横たわり、腕で顔を覆っていたからだろう

急に入ってきた兄貴が笑いながらそう呟く


『…あぁ゛?』


マジで泣いてたらどーすんだよ。

ほんと、デリカシーねぇなっ!!


「泣いてねぇな(笑)」

『何だよっ?!』

「飯、出来たから呼んでこいって!」


無言で起きあがる俺を見下ろしながら


「寝てなかったって事は、眠たかった訳じゃなくて、何かあったって事か。」


そう言って笑った。


『……うるさい…』

「空澄と何かあったんだろ?空澄から電話きたし!」

「はっ?何で呼んでくれねーんだよ!」
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