いちごキャンディー
母さんはそれからすぐに銀行へ出かけて行った

兄貴は部屋で荷物をまとめていた


『‥ねぇ‥何で北海道?』


真桜の部屋のドアに寄りかかって桃真がたずねた


「夏だし?(笑)」


桃真は、そう笑った真桜を見て腑に落ちない!!という表情を浮かべる


『ただの旅行じゃないってなに?』


俺は気になっていることを口にした


「‥お前さ、空澄に告白されたらどうする?」

『えっ?!』


質問をしたのは俺なのに、逆に質問を返された


『‥‥』

「今彼女がいるから迷うか?ま、お前ならそうだろうな(笑)」

『兄貴の旅行とは関係ないだろっ!!』


笑われてはっとして話題を戻した


「俺に彼女いたの知ってたか!?」

『っ!!!!』

「あ、やっぱ気づいてなかったか(笑)」


兄貴は俺の7つ上だし
大学4年の22歳だ

彼女がいたっておかしくない


『いたんだ‥‥』


だけど、いたと聞いたって、なんとなく信じられなかった


「お前にいて俺にいないわけがないっ(笑)」


そう言って笑ったのもつかの間

次の言葉でその表情は曇った


「まぁ、ふられたんだけどな」
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