キスフレンド【完】
「それなら、あたしのこと理子って呼んでくれる?」
「理子ちゃんが……いや、理子がそれでいいならね」
「じゃあ、一緒に買い物に付き合ってくれる?」
「もちろんいいよ。だけど、逆に理子は嫌じゃないのかい?」
「何が?」
「いや……高校生くらいになると、親と一緒に出歩くのは恥ずかしいってよく聞くから」
「あたしは例外なのかも」
「ハハハッ。それは嬉しいな」
目を細めて声を上げて笑ったお父さん。
その瞳はさっきとは違ってすごく優しい。