キスフレンド【完】
「シロ……なんか今日元気ないね……」
紫苑に抱きあげられているシロ。
いつもは可愛い鳴き声を上げながらあたしに擦り寄ってくるのに。
今日は紫苑に抱きしめられたままあまり動かない。
「そろそろ一カ月……か」
部屋のカレンダーを見上げながら呟いた紫苑。
その声が少しだけかすれているような気がして。
命のタイムリミットが迫っている。
あたしはシロの頭を何度も何度も撫でた。
死なないで。
死んじゃダメ。
一日でも長く生きて……。
そんな願いを込めながら。