あした
病院のロータリーに車を止めて 慶子と新造が 病院の中を伺っていた。

「ごめん!!」

そう言ってかけてきた 娘の姿を見つけると 安心したように2人顔を見合わせた。

「お友達 大丈夫?」

「うん・・・明日は退院できるって」

「そう。それは よかった。」

「でも、わざわざ 2人で迎えだなんて・・・」

「明日は 土曜日だし たまには 3人でドライブもいいかなって・・・」

「どこへ行きたい?」

「う~~ん お父さんお母さん 夕飯は?」

「まだよ。」

「私 食べちゃったしな・・・・あっ!!そうだ カラオケ行こうよ
 カラオケなら お父さん達食事もできるし。」

「そうね・・・それいいわね。 」

「はじめてだね・・・家族でカラオケなんて・・・・お姉ちゃん聞いたら
 驚くね。」

「そうね。 今度雪菜が帰ってきたら みんなで行こう。」

そんな会話をしながら・・ほんの半年前の自分の家族の姿を思い出して美咲は

心の風景に現れた笑顔のマコに語りかけた。

【マコ・・・こんな風にお父さんとお母さんと カラオケに行かれるように
 なるなって思っていなかった。マコに会うまでは お父さんとお母さんの存在は
 うざいだけだった・・・・こんなに近しいものなんて思わなかったヨ。
 こんな風に幸せな時間 ありがとう・・・・・】


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