あした
新造は 後を追ってこなかった。

やっぱりね・・・・という 残念な気持ちと なぜ?という 不信感とが入り混じった不思議な感情・・・

誠は美咲の手を握ったまま公園にくるとベンチに腰を降ろして夜空を仰ぎ溜息をついた。

「参ったな・・・・」

そう呟くと 頭を抱えた。

「ごめんなさい・・・・マコさんのこと巻き込んじゃったね。」

「いや・・・逆に事を荒立ててしまったのかなと思ってね・・・・
  美咲ちゃんの立場を余計悪いものにしちゃったんじゃないかと思って・・・・」

「そんなことないよ。もともと全部 私が悪いんだもん・・・・」

「えっ?」

「お父さんとお母さんの願うような 人間になれない私が悪いの・・・」

「どういうこと?」

「私ね・・・5歳離れたおねえちゃんがいるの。今、アメリカの大学に行ってるんだ
 頭もいいし、美人だし・・・何をやっても 上手で 両親の自慢の娘よ。」

「それに引き換え 私は見た目もこんなんだし・・・・」

「そう?かわいいと思うけど?」

「なにをやっても 下手くそ・・・勉強もイマイチだし・・・」

美咲が クビを横に振った。

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